概要
左右分割キーボードを作成する際に、基盤をリバーシブルにしたかった。
そのためには設計時にリバーシブルに対応したフットプリントを使用する必要があった。
公開されているPCBのデータを見ればわかることだが実際にやってみて理解したことをまとめる。
※foostanさんが公開されているデータで勉強させていただきました。
なぜリバーシブルにするか
- 費用を抑えたい
- 回路図でのパーツ配置を少なくしたい
この辺りがリバーシブルにする理由となる。
デメリットは配線が少しややこしいくらい。
費用面
PCBを発注する際には、基盤のサイズで料金が変わり、小さいほど安い。
左右それぞれを別の基盤として作成すると面積が大きく、料金が高くなる。
リバーシブルで対応すると1枚分のサイズで発注できるので安い。
また枚数は最低5枚とかになるので自分が使用するためならそれで十分。
設計作業面
回路図作成でスイッチやダイオードを配置する数も半分になるので若干楽になる。
配線については表用と裏用のパッドを繋ぐような感じになるので、使用パッド数は左右分で線が共有になる感じ。
作業例
基本的にはガイドが表示されているのでそれらをつないでいくと問題ない。
ビアを使用する時に表示が反対面に切り替わるのでそこに繋ぐ。
前提
- 片手分の回路図が完成している。
- kicadを使用して作業。
- フットプリントはfoostanさんが公開されているものを使用
https://github.com/foostan/kbd/tree/master/kicad-footprints/kbd.pretty - PCBのデータも公開されているのでそれを参考にさせていただいた
https://github.com/foostan/crkbd
マイコンボード
マイコンボードは左右2列で、リバーシブルの際に両手とも同じ向きにしたい場合には2列ずつスルーホールがあるものを使用する。
同じ役割となるピン番号が2つあるので、まずそれぞれをつないでしまう。
そうすることで、後から繋ぎ忘れとなることがなくなる。
ダイオード
表面実装のダイオードの場合には表面と裏面をビアでつなげる必要がある。
(スルーホールのものの場合はどちら側から刺しても問題ない)
cherryとchocを両面になっているものはそれらもそれぞれ繋ぐ。
キースイッチ
キースイッチの場合もダイオードと同じようにビアを使用して表と裏を接続する。
rowになる側同士、colになる側同士を接続。
LED
LEDの場合にはバックライト用かアンダーグロー用かの注意が必要。
表と裏をビアで繋ぐのは同じだが、バックライト用はフットプリント中央には穴を開けるので、外側に配線する必要がある。
アンダーグロー用は穴を開けないので内側を通っても大丈夫。
その他
全くの未配線状態だとkicadでチェックをかけたときにエラーとして検出されるが、表か裏どちらかだけ配線された状態だと
エラー(未配線アイテム)が表示されないっぽいので注意が必要。
実際に組み上げてキーが反応しないものがあって、表裏が繋がってないことに気づいたものがあった。
ダイオードだったので反対側を使用することでなんとか対応できたが、他のところだときついので繋ぎ忘れないようにする。